AI議事録の作り方|決まったことが現場と事務に届く4つの見出し
議事録を書く手間を減らそうと、社長が打ち合わせの録音をAIにまとめさせ始めても、決まったことが事務まで届かない場合があります。社長が取引先との打ち合わせで追加の作業を1つ口頭で引き受け、その日のうちに現場の班長へ電話で伝えたとしても、事務の方への連絡が抜ければ、月末の請求書にその作業は載りません。AIがまとめた議事録があっても、長いままなら、事務の方は最後まで読まずに請求書を作ることになります。
議事録の読み手は、次に仕事を受け取る人
AIで議事録を作るなら、社長は読み手を、打ち合わせに出た人ではなく、次に仕事を受け取る人(現場・事務)に決めます。AIには発言を全部まとめさせず、4つの見出しだけで書かせます。決まったこと、やること(だれが・いつまでに)、まだ決まっていないこと、お金や日程が変わること、の4つです。打ち合わせに出た人が中身を確かめてから、受け取る人へ渡します。
発言をそのまま起こした記録や、話した順に並べた要約は、打ち合わせに出た人が思い出すには役に立ちます。出ていない人が知りたいのは、自分が何をするかです。長い記録の中からそれを探す手間は、受け取る側にかかります。冒頭の事務の方が読みきれないのも、この手間のためです。
録音の断りと、録音を入れてよい道具
取引先との打ち合わせを録音するときは、社長が始める前に相手へ一言断ります。録音と、それを文字にしたものを入れるAIは、取引先の名前や金額が出る打ち合わせなら、社内で入れてよいと決めた道具だけにします。社内での決め方は、生成AIの社内ルールの作り方に書いた1枚の表が土台になります。
AIに議事録を4つの見出しで書かせる頼み方
録音を文字にしたら、打ち合わせに出た人が、AIに次のように頼みます。
打ち合わせに出ていない現場の班長と、事務の担当者に渡す議事録を作ります。下に貼る文字起こしをもとに、次の4つの見出しだけでまとめてください。
- 決まったこと
- やること(だれが・いつまでに)
- まだ決まっていないこと(だれが、いつまでに決めるか)
- お金や日程が変わること(追加・取りやめ・値引き・日付の変更) 文字起こしにない話は加えないでください。聞き取れなかったところは「不明」と残してください。
4つ目を別の見出しにするのは、請求と段取りに響く話を、ほかの話に埋もれさせないためです。冒頭の追加の作業は、4つ目に入る話です。4つ目に1行でも書いてあれば、事務の方は請求書を作る前に、その行を見て社長に確かめられます。
打ち合わせに出た人が確かめる4か所
4つの見出しのまとめは、打ち合わせに出た人が読んでから渡します。録音を文字にする段階で、聞き取りにくい言葉や数字が、別の言葉にすり替わることがあるためです。Microsoftも、Teamsの会議中に声を文字にして出す字幕について、マイクから離れて話すと正確さが落ちることがあると案内しています(Microsoft Teams 会議でライブ キャプションを使用する)。机に置いたスマートフォン1台で録る打ち合わせでも、遠い席の声ほど、文字にしたときに取り違えが起きやすくなります。
打ち合わせに出た人は、金額・日付・人や会社の名前・支払いや約束の条件の4か所を、自分のメモと、録音の該当する箇所を聞き直して照らします。AIが嘘をつくのはなぜ?で書いた4か所を、打ち合わせに当てはめたものです。あわせて、打ち合わせで引き受けた話や変えた話が、4つ目の見出しに全部入っているかも確かめます。
確かめたら、出た人が、現場の班長と事務の方の両方に同じものを渡します。4つ目の見出しが空の回も、渡す先は変えません。出た人が確かめたうえで空なら、事務の方にとっては「請求に足すものはない」という知らせになるからです。
4つの見出しで渡せない打ち合わせ
相手が録音を断った打ち合わせでは、社長の手元に、AIに渡す記録が残りません。社内の方針を話し合う会議のように、次に仕事を受け取る人がいない打ち合わせでは、4つの見出しで書かせても、社長の手元に残るだけです。こうした打ち合わせの議事録の作り方は、この記事では書きません。
よくある質問
Q. 会議の議事録をAIで作るには、どうすればいいですか。
会議を録音し、録音を文字にしてから、AIに見出しを指定してまとめさせます。まとめは、会議に出た人が確かめてから渡します。見出しを指定しないまとめでは、読む人が自分の仕事を探す手間が残ります。
Q. 議事録をAIで自動作成すれば、手直しは要りませんか。
要ります。録音の状態や話し方しだいで、文字にしたときに言葉や数字の取り違えが出るためです。正確さは録音の状態で上下するので、ここでは数字を挙げていません。金額・日付・名前・約束の条件は、打ち合わせに出た人が確かめる前提で使います。
Q. AI議事録で、打ち合わせの中身が外に漏れることはありますか。
使う道具の契約と設定によっては、入れた録音がAIの学習に使われることがあります。学習に回らない契約を選んでも、録音はいったん、提供元の会社へ送られます。「録音の断りと、録音を入れてよい道具」の節で、録音を入れる道具を社内で決めておくと書いたのは、このためです。
Q. iPhoneのボイスメモで、議事録のもとになる文字起こしはできますか。
できます。Appleの説明では、iPhoneの12以降の機種なら、ボイスメモで日本語の話し声を文字にでき、その文字は別のアプリへコピーできます。使える条件は、Appleの説明へのリンクとあわせて、AIで手順書を作る方法の手順3に載せています。
Q. 打ち合わせで引き受けた追加の作業が、請求から漏れるのを防ぐには、どうすればいいですか。
4つ目の見出し(お金や日程が変わること)を、事務の方に毎回渡すのが入口です。請求の側から漏れを拾う仕組みは、別の記事のkintoneで請求漏れ・入金遅れを防ぐで紹介しています。
明日やること
次の打ち合わせが終わったら、社長が自分で、4つの見出しのメモを書いてください。AIを使わず、手書きでもかまいません。AIに頼む前に、4つの見出しで打ち合わせの中身が収まるかを、社長が自分の手で確かめるためです。書いたメモは、社長から班長と事務の方に渡します。
打ち合わせで決まったことが、現場と事務のどこで止まっているかを確かめたいときは、無料のご相談で、打ち合わせから請求までの流れをお聞きし、最初に直すところと、そこから直す理由を口頭でお伝えします。録音や議事録そのものは、ご相談でも受け取りません。議事録に使うAIの製品は、ご相談の場では選ばず、社長に決めていただきます。その場で契約をお勧めすることはありません。
初回は30分ほど、ビデオ通話かお電話で。資料の添付は不要です。3営業日以内にメールでご返信します。