kintoneとZohoの比較|どちらがいい?同じ案件1件を両方のお試しに入れる
たとえば、社長が机の上に比較表を2枚並べています。1枚はkintoneを勧める会社から、もう1枚はZohoを勧める会社から届いたものです。社長が見比べると、どちらの表も、勧めてきた側の製品の欄に◯が並んでいます。
kintoneとZohoのどちらがいいかは、直したい仕事で決まります。お客さまとの商談を追う仕事を直すならZoho CRM、受注のあとの段取り・現場の報告・請求の材料のように社内で回す仕事を直すなら、kintoneかZoho Creatorが候補です。どちらにするかは、同じ案件1件を両方のお試しに入れて、次にその案件を受け取る人が画面だけで動けたほうに決めます。
私は、kintoneで仕組みを作ったり、うまく回っていない仕組みを立て直したりしてきました。Zoho CRMでも、台帳の設計をしたことがあります。SanSaQはkintoneの構築をお引き受けしているので、この記事はkintone寄りに読まれるかもしれません。そのため私は、Zohoが合う仕事も同じ重さで書きます。どちらの製品を社長が選んでも、SanSaQに紹介料は入りません。
この記事に書いた製品の仕様は、2026年9月に私が各社の公式ページで1文ずつ確かめたものです。
比較記事は、書き手の会社を見てから読む
2026年9月に私が「kintone zoho 比較」で検索したとき、1位はkintoneとつないで使うサービスを作っている会社の記事でした。2位はkintoneの導入を手伝う会社、3位はZohoの公式ページ、7位はZohoの認定パートナーとして記事を書いている会社です。
表の項目を選んだのは、どの記事でも、その製品を扱う側です。社長の机の2枚の表が食い違うのは、比べる項目を選んだ側が違うからです。
社長に先に決めていただきたいのは、2つです。比べるZohoがどれかと、直したい仕事がお客さまの側か社内の側かです。
比べるZohoを、Zoho CRMかZoho Creatorかにそろえる
kintoneは1つの製品です。Zohoは、同じ会社が出している製品群の名前で、日本の公式サイトは「60以上のクラウドサービス」と案内しています。この記事でkintoneと比べるのは、そのうちZoho CRMとZoho Creatorの2つです。Zoho Oneは、Zohoの製品をまとめて使う契約の名前です。
| kintone | Zoho CRM | Zoho Creator | |
|---|---|---|---|
| 台帳の型 | 会社が入力欄を並べて決める | 見込み客・連絡先・取引先・商談の台帳が先に用意されている | 会社が入力欄を並べて決める |
| 入力欄を足すとき | 画面の上で、入力欄を引っ張って置く | 画面の上で、入力欄を引っ張って置く | 画面の上で、入力欄を引っ張って置く |
| 無料のお試し | 30日間。終わっても自動で有料にならない | 15日間。クレジットカードの登録なしで始められる。3人までなら無料で使える契約もある | 15日間。クレジットカードの登録なしで始められる |
| 作っている会社 | サイボウズ(東京) | Zoho Corporation(インド)。日本法人はゾーホージャパン(横浜) | Zoho Corporation(インド) |
出典は、kintoneの料金とコース、kintoneの無料お試し、Zoho CRMの料金、Zoho Creatorの料金です。
社長の手元の比較表が、kintoneとZoho CRMを比べているなら、台帳の型を会社で決める製品と、型が先にある製品を比べています。kintoneとZoho Creatorを比べているなら、同じ種類の製品どうしの比較です。
直したい仕事が、お客さまの側か社内の側かを決める
決めるのは社長です。社長は、机の上だけで決めずに、その仕事を毎日受け持っている事務の方か営業の方に、1回聞いてから決めてください。
| 直したい仕事 | 例 | 候補になる製品 |
|---|---|---|
| お客さまの側 | 問い合わせの受け付け、見積の出し直し、商談の次の連絡 | Zoho CRM |
| 社内の側 | 受注のあとの段取り、現場の報告書や点検票、請求の材料集め | kintone、Zoho Creator |
お客さまの側の仕事で、社長が追いかけたいのが「どのお客さまと、商談がどこまで進んだか」なら、Zoho CRMの型に乗りやすくなります。社内の側の仕事で、社長の会社の点検票や報告書の項目をそのまま台帳にしたいなら、型を会社で決めるkintoneかZoho Creatorで、書類の項目を写すところから作ります。
両方の側が気になるときは、先月、社長が電話で「あれ、どうなった」と聞いたほうの仕事を選びます。
同じ案件1件をお試しに入れてもらい、次の人が画面だけで動けたほうに決める
どちらに決めるかを判断するのは社長で、そのために社長が動くのは1回だけです。社長は、勧めてきた2社に、先月までに片づいた案件1件を渡し、「この案件を、お試しの画面に入れた状態で見せてほしい」と頼みます。お客さまの名前や住所は、社長が仮の名前に置き換えてから渡します。Zohoの側は、お客さまの側の仕事ならZoho CRMで、社内の側の仕事ならZoho Creatorで、入れてもらいます。
2社の画面がそろったら、社長は、その案件を次に受け取る人を画面の前に呼びます。見積の仕事なら営業から受け取る事務の方、報告の仕事なら班長から受け取る事務の方です。社長はその人に、画面だけを見て、次にやる作業を言ってもらいます。その人が紙の控えやExcelを開かないと答えられなかったら、その画面は、まだ社長の会社の仕事に合っていません。
社長は、次の人が画面だけで次の作業を言えたほうの製品に決めます。両方で言えたときは、ふだんその仕事を受け持つ担当の方に、その場で入力欄を1つ足してもらいます。担当の方が自分で足せたほうに決めます。
入力欄を足せるかを見るのは、製品を入れたあとも、書類の項目や取引先の指定が変わるからです。kintoneでは、画面の見た目や動きをさらに作り込むとき、作る人がJavaScriptというプログラムを書くか、プラグインと呼ばれる追加部品を使います。この作り込みと追加部品は、スタンダードコースから使えて、ライトコースでは使えません(kintoneヘルプ)。Zoho CRMで独自の処理を足すときは、作る人がDelugeという、Zohoが独自に作った書き方でプログラムを書きます(Zoho CRMの開発者向け案内)。担当の方が入力欄を足せない製品を選ぶと、社長の会社は、項目が変わるたびに社外へ頼むことになりやすくなります。
勧めてきた会社がなく、社長が名前だけを知っている場合は、担当の方が両方のお試しに同じ1件を入れます。この場合、担当の方は台帳の入力欄を並べるところから始めるので、先に社長が、お試しに使える日を担当の方と決めておいてください。
案件の数が少なく、表計算の台帳で回っている会社
この記事の決め方は、kintoneかZohoのどちらかを入れる前提に立っています。社長が選んだ仕事で動く案件の数が少なく、表計算の台帳で困っていない会社は、2つを比べる段階にまだありません。担当の方が新しい画面を覚える手間と毎月の利用料に見合うだけの案件が、まだ流れていないからです。
すでにどちらかを入れていて、もう片方へ乗り換えるかで迷っている会社も、この記事の決め方の外にいます。今の仕組みで紙に戻っている場所と、乗り換えで覚え直す手間の両方を見る必要があり、案件1件をお試しに入れるだけでは、乗り換えるかどうかまでは決められません。
よくある質問
Q. kintoneとZohoの違いは何ですか。
違いは、台帳の型を誰が決めるかにあります。kintoneでは、会社が入力欄を並べて台帳を決めます。Zoho CRMでは、見込み客や商談の台帳の型をZohoが先に用意していて、会社はそこに入力欄を足します。Zohoという名前は製品群の名前なので、比べる前に、Zoho CRMとZoho Creatorのどちらの話かを確かめてください。
Q. 料金はどちらが安いですか。
金額は、使う人数と、どの製品のどのコースを選ぶかで動きます。そのため、私はここに金額を書きません。社長が両方の公式の料金ページで、会社で使う人数を当てはめて計算してください。kintoneのライトコースとスタンダードコースは、10人分からの契約です。
Q. Zohoはインドの会社ですが、日本語で相談できますか。
Zohoには、横浜市に日本法人のゾーホージャパンがあります(会社概要)。2022年2月からは、東京と大阪のデータセンターでも運用しています。どのデータセンターを使うかは、登録したときの場所で決まり、あとから変えられません(Zohoの案内)。
Q. kintoneとZohoは、両方使ってつなげられますか。
Zohoの公式のサポートページに、Zoho CRMの商談をkintoneのアプリへ送る方法が、Delugeで書いたプログラムの例として載っています(Zohoのサポートページ)。プログラムを書かずにつながるものではなく、kintoneの側もスタンダードコースが要ります。2つの製品を入れると、利用料と、担当の方が覚える画面も2つになります。
Q. kintoneを入れたのに使われていません。Zohoに乗り換えるべきですか。
乗り換える前に、今のkintoneで手が止まっている場所を見直す方法を、kintone導入に失敗したと感じたらに書きました。作り直すか、やめるかの判断の基準も、そちらで扱っています。
Q. 相談先には、どちらの会社を選べばいいですか。
どちらかの製品を扱う会社に相談すると、話はその製品を前提に進みやすくなります。社長は相談する前に、その会社がどちらの製品を扱っているかを、会社の案内で確かめてください。相談先を4つに分けて、それぞれに頼めることを並べた表は、中小企業のIT相談先がわからないにあります。
明日やること
社長が、事務の方か営業の方と一緒に、先月「あれ、どうなった」と電話で聞いた案件を1件選んでください。その案件が、お客さまの側の仕事で止まったのか、社内の側の仕事で止まったのかを、社長が紙に書きます。止まった仕事の名前の横に、その案件を次に受け取った人の名前も書いておきます。
紙に書いても、案件がどちらの側で止まったのか分からない場合は、無料のご相談をお使いください。その案件1件がどこで止まったかを伺い、最初に直す候補とその理由を、私から口頭でお伝えします。kintoneとZohoのどちらを入れるかの結論は、ご相談ではお出しせず、社長の判断に残します。その場で契約をお勧めすることはありません。
初回は30分ほど、ビデオ通話かお電話で。資料の添付は不要です。3営業日以内にメールでご返信します。