ブログ

入金消込で振込名義が違う入金は、どこの支払いかをエクセルに書き残す

・SanSaQ代表

月末の入金消込(にゅうきんけしこみ)で事務の方の手が止まるのは、通帳に出た振込名義が請求書の宛名と違う入金と、金額が請求書と合わない入金です。事務の方がそのたびに営業の方や社長へ「この入金はどこの支払いですか」と聞きに行き、答えが返ってくるまで、どこからまだ入金がないかは決まりません。

この記事では、会計ソフトは入れていても入金の確認はエクセルと手作業、という会社に向けて、聞いて分かった答えをエクセルのシートに書き残し、次の月から同じ振込名義の入金で聞き直す回数を減らすやり方を書きます。以下では、ふだんの言い方に合わせて、この作業を「入金の確認」と呼びます。

エクセルでの入金の確認(入金消込)は、どんな作業ですか

通帳に入った入金を1件ずつ、エクセルの請求の一覧(入金管理表や売掛金の一覧などと呼ぶ表)のどの請求書の支払いかに当てていき、最後まで当たる入金のなかった請求書を、未入金として拾い出す作業です。帳簿の言葉でいえば、売掛金(請求したのにまだ受け取っていない代金)を、入った入金と照らして消していく作業にあたります。

照らす入金には、次の3つの形があります。

入金の形事務の方がすること
振込名義も金額も、請求の一覧とそのまま合うその場で入金の欄を埋める
振込名義が、一覧のどの取引先とも合わない営業の方や社長に、どこの支払いかを聞く
振込名義は合うが、金額が請求書より少ない、または多い差のわけ(振込手数料を引いた、2枚分をまとめて払った、1枚を分けて払った)を確かめる

2つ目と3つ目の答えは、請求の一覧にも通帳にも載っていません。取引先を受け持つ営業の方や社長に聞いて、事務の方はようやくどこの支払いかを知ります。その答えをどこにも書き残さなければ、次にその振込名義で入金があった月に、事務の方はまた同じことを聞きに行きます。事務の方が休んだ月は、代わりに確かめる人が、営業の方にもう一度聞き直します。

手作業の入金の確認は、どうすれば軽くなりますか

事務の方が、請求の一覧のファイルにシートを1つ足し、振込名義や金額が合わない入金の答えを1行ずつ書き残します。

シートに書くのは、入金の確認を受け持つ事務の方です。どこの支払いかを決めるのは営業の方か社長で、事務の方は、聞いた答えに手を加えずに写します。今の請求の一覧の列や計算式には手を入れないので、一覧に組んである関数も、そのまま使い続けられます。

1. 請求の一覧のファイルに、「振込名義」のシートを足す

入金の確認に使っているエクセルのファイルに、事務の方が新しいシートを足し、シートの名前を「振込名義」にします。1行目には、「振込名義」「取引先」「いつもの入り方」の3つの見出しを並べます。月ごとにファイルを作り直している会社は、「振込名義」のシートだけを別のファイル1つにまとめて、毎月そこへ書き足してください。

2. 答えが分かった入金を、通帳の字のまま1行ずつ書く

どこの支払いかが分かった時点で、事務の方は、その入金の振込名義をカタカナや略し方も通帳の字のまま写し、その横に請求書の宛名にある取引先と、金額に差があればそのわけを書きます。1つの取引先が2つ以上の名前で振り込んでくるときは、名前ごとに1行ずつ書きます。

たとえば、架空の3社なら、シートはこう埋まります。

振込名義取引先いつもの入り方
カ)エーコウギヨウ(株)A工業振込手数料を引いた額で入る
カ)ビーホールデイングスB建設(株)本社の名前で、現場2つ分をまとめて1回
(社長の個人名)C設備社長の個人の口座から入る

3. 次の月は、聞きに行く前にシートで探す

次の月末、請求の一覧に見当たらない振込名義の入金や、金額が請求書と合わない入金があったら、事務の方は営業の方の席へ向かう前に、まず「振込名義」のシートでその名前を探します。シートを開いた状態で事務の方が Ctrl キーを押しながら F キーを押すと、Windowsのエクセルでは検索の画面が開きます(Microsoft公式の説明「ワークシートの文字列と数値を検索または置換する」)。名前が見つかれば、事務の方は「取引先」の欄にある会社の請求書に、その入金を当てます。

4. 答えと金額がずれた入金は、これまでどおり人に聞く

シートで名前が見つかっても、金額の差を、シートに書いたいつもの入り方では事務の方が説明できない入金もあります。その入金について、事務の方はシートに頼らず、これまでどおり営業の方か社長に確かめます。シートに書いてあるというだけで、事務の方がその入金を請求書に当ててしまうことはしません。

答えをシートに移しておくと、事務の方が休んだ月も、代わりの人が同じシートを見て入金を確かめられます。答えを担当者の頭の外に出し、会社の手元に置いておく考え方は、SanSaQがお客さまとのお約束の4つ目にも書いています。

入金の確認に使うエクセルのひな形は、無料で配られていますか

配られていますが、ひな形に替えても、振込名義や金額の合わない入金の答えを探す手間は残ります。

「入金管理 エクセル」の検索結果を見ると、上位10件に、入金管理表のひな形を無料で配っているページが2件ありました(2026年9月29日)。ひな形は空の表なので、取引先がどんな名前や額で振り込んでくるかまでは書かれていません。新しいひな形に移れば、先月までの請求の記録を写し直す手間もかかります。請求の一覧は今のまま使い、シートを1つ足すだけなら、その手間はかかりません。

同じ日の「入金消込 エクセル」の上位10件では、7件が、関数(VLOOKUPなど)やマクロで入金を当てる方法を見出しに挙げていました。関数で当てるときも、通帳の振込名義と請求書の宛名が違う入金は、どの取引先の名前かを先に誰かが決めて書いておかないと、関数では当たりません。このシートは、そのときにも使えます。

「入金消込」だけで検索したときの上位10件は、どれも入金の確認をソフトや外のサービスで行う話でした。この記事のやり方は、ソフトを増やす前に、今のエクセルのまま試せます。

シートを足しても軽くならない会社

個人のお客さまから毎月違う名前で入金がある会社では、シートに書いた名前と同じ振込名義が、次の月の通帳に出てきません。入金の件数が、事務の方1人で月末のうちに照らせる数を超えているなら、答えの探し方を変えても、事務の方は入金を1件ずつ照らし続けます。この2つに当たる会社では、シートがあっても、月末の手間は軽くなりません。

よくある質問

Q. 請求書を作り忘れた案件も、入金の確認で見つかりますか。

見つかりません。入金の確認で拾えるのは、請求の一覧に載っている請求書のうち、入金のないものです。作り忘れた請求書は一覧に載っておらず、入金も来ないので、入金の確認には出てきません。作り忘れていそうな案件や、入金予定日を過ぎても入っていない請求を週1回拾う一覧は、たとえばkintoneなら、案件と請求書を同じ番号でつないで作れます。作り方は請求漏れ・入金遅れの記事に書いています。

Q. 振込手数料を引いて払ってくる取引先は、どう書きますか。

その振込名義の行の、いつもの入り方の欄に、手数料を引いた額で払ってくることを書きます。ただ、手数料の差し引きそのものが、法律に触れる取引もあります。

公正取引委員会の取適法リーフレットNo.01によると、2026年1月1日から下請法は取適法に変わり、取適法の対象になる取引では、合意があってもなくても、振込手数料を中小受託事業者(仕事を受ける側の中小の事業者)に負担させて代金から差し引くことは違反になります。当てはまるのは、その日以降に発注された取引です。差し引かれている取引が対象に当たるかは、社長が公正取引委員会の案内を読むか、専門家に聞いて確かめます。

Q. 会計ソフトに、この入金の確認を任せられませんか。

任せられるかどうかは、お使いの会計ソフトと契約の種類で変わります。銀行の明細を取り込む機能や、入金を請求書に結びつける機能があるかを、そのソフトのヘルプで調べてください。このシートがあれば、ソフトを比べるときに、御社の入金にどんな形があるかをシートから示せます。

明日やること

明日、事務の方が「振込名義」のシートを作り、先月すぐには合わなかった入金のうち、どこの支払いかがもう分かっている1件だけを書き入れてください。今月の月末に同じ振込名義の入金があれば、事務の方は聞きに行く前に、そのシートで答えを見られます。

シートに答えがたまっても月末のうちに入金の確認が終わらないときや、請求書を出してから入金を確かめるまでのどこで手間がかかっているのかを知りたいときは、この記事を社長にもお見せいただき、無料のご相談をご検討ください。ご相談は30分ほどで、お電話かビデオ通話でその流れを伺ってから、最初に手を付けるところの候補を、理由とあわせてその場でお返しします。通帳や請求の一覧の写しは、ご相談でもお受け取りしていません。使うソフトをどれにするかは、御社で選んでいただく前提でお話しします。その場で契約をお勧めすることはありません。

まずは無料でご相談

初回は30分ほど、ビデオ通話かお電話で。資料の添付は不要です。3営業日以内にメールでご返信します。

まずは無料でご相談